仕事中に怪我をしてしまいました。治療費などは誰に請求できるのですか?

仕事中に怪我をした場合、業務災害として労災を申請することができる場合があります。

この場合、労災保険で、無料で治療を受けられたり、働けなかった分の給料の約8割相当の保険給付などを受けることができます。労災保険は、労働者が仕事の上で怪我をしたり、病気にかかるなどした場合に、国が事業主に代わって必要な給付を行う保険で、どのような雇用形態であっても労働者であれば適用されます。労災保険は、パートや日雇いなどの雇用形態にかかわらず、労働者を一人でも雇用していれば加入が義務付けられ、保険料は全額会社が負担します。会社が加入手続きを怠っている場合でも、労災保険から保険給付を受けることができます。

労災と認定されるためには、次の2つの要件を満たす必要があります。

①業務遂行性

労働者が、労働契約に基づいた事業主の支配下にある状態で発生した怪我等であること(作業中だけでなく、作業の準備行為・後始末行為、休憩時間中、出張中などの場合も含む)。

②業務起因性

業務を原因として発生した怪我等であること(一定の因果関係が存在すること)。この業務上の疾病(職業病)の範囲は法令で定められています。

上記の事由にあたる場合、労災の申請は、雇用主にしてもらうことができ、申請時に会社も労災と認めていると事後の手続きがスムーズになります。しかし、会社が労災を認めようとしない場合には、自分で行うこともできますし、会社が証明を拒否しても申請後に監督署が事情を確認して判断することになります。

ただ、石綿肺のように何十年も前に粉じんの多い職場で就労していたことを証明する必要がある場合などには、集めなければならない資料も多岐にわたり、個人の力では困難が伴います。また、過労によるうつ病発症のケースなどでは、仕事外のプライベートな事情が原因であり、上記の「業務起因性」がないなどと判断されてしまうおそれもあります。このような場合は、専門家である弁護士などの手助けを得て行うとよいでしょう。

注意しなければならないのは、労災申請の時効です。療養補償、休業補償、葬祭料は2年以内、障害補償、遺族補償は5年以内に請求する必要があります。

また、労災保険による補償を受けた場合でも、収入の全額が補償されるわけではありませんし、労災による精神的損害は償われません。こういった労災保険によって補償されない損害については、使用者に対してその賠償を求めることができます。

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